関内駅直結シェアオフィス | G Innovation Hub YOKOHAMA
Culture
“G”の文化

G Project

whyG?3章 魂が昭和?!~コミュニケーションから生まれる空気感と温度感~

2020.09.14

「おはようございます。いつもより早いですね」
「お疲れ様です。今日はお子さんのお迎えですか?」
「これから都内ですか?いってらっしゃい」

挨拶の声が響くG Innovation Hub Yokohama(以下G)のリビング。

毎日Gにいると、入居者が来る時間が把握できるようになり、普段の会話からパーソナルな部分もわかるので、いつもと来る時間が異なると、「なにかあるのかな?」と、つい声をかけてしまう。それは、オフィス内の社交辞令やマナーとしてのあいさつでなく、例えるなら昭和の近所づきあいのような雰囲気。しばらくスタッフの顔が見えないと、入居者が気にかけて声をかけてくれるときもあり、温かい空気が生まれている。

 

シェアオフィスとは何なのか?

シェアオフィスは今、働く場所や会議室を共有するワークスタイルを提案するだけでなく、コミュニティや仕事を生み出すものに変わっている。

しかしコミュニティとは、無理やり作り出すものではなく、そこに自然発生するものと、Gは考えている。
その流れを止めず、見守るのがスタッフの役目だ。二章でも述べたように、Gにいわゆるコミュニティマネージャーがいないのは、意図的にコミュニティを作ろうとすると、動き出したその人の気持ちが切れたときに、コミュニティは消滅してしまう恐れがあるのではないかと考えているからだ。

自然がおりなす空気感そのままに、Gのイベントは入居者が主催するケースが多い。こちらがサービス提供する関係だけでなく、主体的に活用されている。このように企画されたイベントは、共感する人、同じ方向を見ている人が集まりやすく、大いに盛り上がる。イベント後に、再びGへ寄ってくれる人も多い。双方に心から楽しんでくれている様子が、よくわかる。

 

昭和の台所。シェアオフィスにはなぜキッチンが必要なのか。

Gにはキッチンがあるが、電子レンジとポットがあって、食事を温めたりお茶を入れたりするためのような給湯室ではなく、食事を作って食べたりする家庭的な昭和の台所を想像してほしい。

昼過ぎになると、自然と入居者がリビングに集まり、入居者みんなでランチする光景を目にする。Gのキッチンでは、施設内で調理することもできる。そんなときは、決まって多めに作ってしまいがちだ。途中にお客さんがくれば、「一緒に食べていきますか?」と声をかけるのも当たり前。初めて顔を合わす人も、みんな一緒に食事する。それがごく自然に行われていることに、コミュニティの強さがある。ランチが終われば、みんな自然とブースに帰っていくのも、働いていて気持ちがいい。

後片づけをするキッチンにも、食後のコーヒーを淹れにくる人、遅いランチの人、何人もの人が交わる。会話が盛り上がると、「今日は何時間キッチンに立っていたんだろう」と思うこともある。寮のお母さんのような感覚だ。誰もが必ず立ち寄るキッチンは、Gの交流の要になっている。

 

仕事と生き方の混在。その中に生まれる信頼関係。

Gは仕事と暮らしの関係性が近い。それは深い関係を築こうとしているのではなく、入居者の仕事が、自身の考え方や生き方にとても近い部分にあるから、おのずとパーソナルな部分に近づくのだと思う。前向きに楽しく仕事に取組む人には、もしかしたら、ごく自然なことなのかもしれない。

一方、仕事に対してネガティブな感情がわいている場合は、プライベートな部分まではオープンにしづらいだろう。そしてできるだけ私生活にネガティブな感情を持ち込まないように、きっちり分ける傾向にあると思う。

パーソナルな部分を見せ合えば、入居者同志、またスタッフとも自然と信頼関係が生まれる。個人的な相談もしやすく、だれかが率先してコミュニティをまとめる必要がなくなる。コミュニティマネージャーがいなくても、コミュニティが生まれる秘訣はそこにある。

 

Edited by G Innovation Hub Yokohamaスタッフ 小室真知子

神奈川県出身、神奈川県育ち。強い地域愛がある中で、神奈川県内のローカルメディア記者を20年務め活躍。2019年8月よりGの運営に参画。子育てをする2児の母でありながら、時代の変化と共に自らの働き方も変革し、神奈川・横浜での地域を盛り上げている。