関内駅直結シェアオフィス | G Innovation Hub YOKOHAMA
Culture
“G”の文化

G Project

<対談1>GIHが生まれた背景に迫る!なぜ「G」なのか?このメンバーなのか?

2019.07.02

2019年5月16日、オープン目前のG Innovation Hub Yokohama(以下「G」)に、9名のプロジェクトメンバーが集まりました。GIHの設立背景、Gの名前やロゴに秘められた思い、このプロジェクトメンバーが集められた理由について、ひもときます。

対談参加者(敬称略)

総合プロデュース:相澤毅(株式会社plan-A)

建築設計:西田司(株式会社オンデザインパートナーズ)

建築設計:原﨑寛明(Hi architecture)

施工:福井信行(株式会社ルーヴィス)

運営体制構築:治田友香(関内イノベーションイニシアティブ株式会社)

ホームページ制作:森川正信(関内イノベーションイニシアティブ株式会社)

ロゴ制作:辻浩史(株式会社セルディビジョン)

コーヒープロデュース:刈込隆二(オトノマ株式会社)

運営:櫻井怜歩(リストプロパティーズ株式会社)

 

対談進行:北原まどか(特定非営利活動法人森ノオト)

執筆:牧志保(特定非営利活動法人森ノオト)

スチール撮影:堀篭宏幸(関内イノベーションイニシアティブ株式会社)

動画撮影:竹内竜太(サンキャク株式会社)

 

G Innovation Hub Yokohama(以下「G」)が立ち上げられた目的は?

相澤毅(株式会社plan-A):

2020年、関内駅前にある現横浜市庁舎が馬車道へ移転します。関内エリアは不動産の賃料相場の下落、地域経済の沈下など悲観的なシナリオで語られることが多くなっています。しかし逆に私はもともと関内が持っている猥雑感を活かすことができるチャンス、市庁舎の移転は、関内エリアにとって重要なターニングポイントになると考えています。

Gが入る横浜第一有楽ビルは関内駅直結で利便性もよく、このエリアの象徴的な建物でありながら、空室率が高く、特に3階の大きな空間が空いていました。ビルオーナーであるリストグループの事業性・収益性を担保しながら、この場が関内エリアの活性化にどのように寄与できるかを検討してきました。様々な用途での利用を検証し、最終的にシェアオフィス、コワーキングスペース案に着地しました。

同時に、横浜市経済局では「イノベーション都市・横浜」宣言の中で、関内エリアにベンチャー企業を呼び込み、成長を支援するという基本政策を進めています。関内エリアに人や企業を集めるためには、まず具体的に人が集まる場を作ることが重要だと考え、Gの企画を立ち上げました。

 

G Innovation Hub Yokohamaの「G」に込められた意味は?

櫻井怜歩(リストプロパティーズ株式会社):

プロジェクトメンバーで話をする中で「G」というネーミングが生まれました。「G」は関内の地名の由来である「関門=GATE」の頭文字でもあります。この場からビジネスが創出していくイメージであり、様々な人や個性が「結集する=Gather」場であってほしいという想い、他にもGlobal(世界的な)、Generate(起こす)、Glow(白熱する)など、「G」には様々な意味が込められています。

 

Innovation Hubの目指すところは?

櫻井:

Innovation(革新)という言葉には、未来を創造していていく意味合いが強く感じられますが、イノベーションはこれまでの文化に基づいて起こるものであると思っています。これまで関内で培われてきた文化を元に、この場から新しいものが生まれてほしいと願っています。

Hubには集約、結節点などの意味合いがあります。私はこれまで、会社という組織内で仕事をしてきましたが、このGプロジェクトでは、会社の枠組みを超えて様々な人と仕事をしています。このプロジェクト自体がまさにHub(集約、結節点)であると感じています。会社などの組織を超えて何か一つのことを複数の人と成し遂げていく、この場がそのHubになることを考えています。

 

Gのロゴに込められた思いとは?

辻浩史(株式会社セルディビジョン):

いろいろな要素が集まり、様々なHubになるというGが目指しているところ、「G」というシンプルなネーミングをどうデザインに落とし込んでいくかを考えました。

ロゴの「G」はシンプルなフォルムに見えますが、実は様々なフォントの「G」を重ねていく中で、色濃く浮かび上がるフォルムを抽出し生まれたものです。これらのフォントは、日本で使われているものはもちろん、聖書や石板に刻まれていた歴史的フォントをはじめ、工業的・文化的ものなど様々な時代背景・国々で生まれたフォントを要素として使わせていただきました。

まさにデザインの制作過程において、G のコンセプトを落とし込むことができたと思っています。制作の過程は複雑ですが、結果的にシンプルなデザインに仕上がりました。

西田司(株式会社オンデザインパートナーズ):

様々なフォントが重なることで生まれた「G」のロゴですが、一つの空間に複数の要素を持つ空間を共存させるGの空間構成のプロセスと同じだと感じています。

 

このプロジェクトチームが誕生した経緯は?

相澤:

場が持つ力も強いと思うのですが、どちらかというと、その場が出来るまでの過程や、そこから生み出されるものや人に力があると思っています。そういった中で、Gの建築プロセスそのものがHubになることが重要だとプロジェクト立ち上げ時から意識してきました。

関内を盛り上げるために、この界隈で活躍している人たちが結集する。

このプロジェクトメンバーは、それぞれ顔見知りではあるけれど、これまで一緒に仕事をしたことがない、それぞれの考えを聞いたことがないという状態でしたが、Gの建築を通して、それぞれの接点を具体化したいと思いました。

また同時に、今回集まっていただいたメンバー以外にも、大企業の方や、他のエリアで同じような場を運営されている方にもオブザーバーに入ってもらい、常に客観性を失わないよう、バランスを取りながら企画を進めてきました。そして最終的には、このプロジェクトはこのエリアで根をおろして活動している人たちが主体として動かしていくべきだと考えています。

 

西田:

オンデザインが入居している泰生ビル(横浜市中区相生町)には、さくらWORKS<関内>というシェアオフィスが入っています。他にも関内エリアにはいくつかの個性的なシェアオフィスやコワーキングスペースがあり、例えばmass×mass関内フューチャーセンター(横浜市中区北仲通)に多くの人が集まるのを見て、人々はなぜそこのスペースを欲しているのか、運営モデルがニーズと合致しているのか、興味がありました。このプロジェクトに関わることで、そのあたりが見えてくるのかなと思っています。

治田友香(関内イノベーションイニシアティブ株式会社):

当社がmass×mass関内フューチャーセンター(マスマス)を始めた当時、今後関内エリアは空きビルが増え、働く人は減少し、コンテンツが集まる要素がなくなっていくと言われていました。そういった中で、まず起爆剤となる事業を立ち上げようという目的からマスマスが生まれました。そこから8年、マスマスは多くの人が集う場となりました。さらにこれからは、自分たちだけで完結していては次がないので、様々な人や企業、団体と連携しながら運営していく必要性を感じています。同業であっても連携しながら構想を進める今回のプロジェクトは、素晴らしいと思っています。

>>対談2に続く<<

【プロジェクトメンバー】

㈱plan-A(プロデューサー)

株式会社オンデザインパートナーズ + Hi architecture(設計建築)

株式会社ルーヴィス(施工)

関内イノベーションイニシアティブ株式会社(運営体制構築)

株式会社セルディビジョン(ロゴ制作)

オトノマ株式会社(コーヒープロデュース)

リストプロパティーズ株式会社(運営)

 

Edited by 北原まどかさん 森ノオト 理事長/編集長/ライター

ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。生活者とエコ、エネルギーを近づけ、楽しむ啓発活動と、メディアを介したまちづくりに力を注ぐ。これまでの10年間で90名以上の市民ライターを育成、本記事は森ノオトライターで建築士の牧志保さんが手がけている。